リスキリングでも自己啓発が重要
最近は「リスキリング」の重要性を指摘する論調が高まっています1。リスキリングとは、デジタル技術など全く新しい職業領域のスキルを獲得していくことです。現状の職務で求められるスキルや知識をアップデートし、より高いレベルに向上させる「スキルアップ」とは異なります。
リスキリングは現状業務を前提に実施するOJTでは対応できません。どうしても従業員の自発的な自己啓発に頼らざるを得ないのです。
ただしリスキリング自体は将来の事業戦略に基づき、人事主導で実施することが望まれます。事業別・技術領域別の人員計画とそれと連動した育成計画を立案した上で、人事方針としてリスキリングの学習領域を指定し、その範囲で従業員の自己啓発を支援すると投資が無駄になりません。
すでに70歳までの就業機会の確保が企業の努力義務2となっており、従業員も自身のエンプロイアビリティ(雇用され続ける能力)を高める自助努力が求められています。
企業の自己啓発支援の重要性はますます高まっています。
1たとえば岸田首相の所信表明演説(2022年10月3日)では、個人のリスキリングに対する公的支援として五年間で一兆円投じると表明。もともとは、2018年の世界経済フォーラム(通称ダボス会議)でリスキリングがアジェンダ(議題)として取り上げられたことから議論が喚起されるようになった。
2高年齢者雇用安定法の改正(2021年4月1日施行)
プロフィール
本田和盛
特定社会保険労務士
あした葉経営労務研究所代表 HAコンサルティング株式会社 代表取締役
小樽商科大学卒業 法政大学大学院経営学研究科修了(MBA)
法政大学大学院政策創造研究科修了。コマツを経て独立。
著書に「管理職の基本と原則」「管理職の理論と実践」などがある。
効果的な研修・セミナーをお求めの企業の皆様へ
JMA関西オフィスにお任せください
TEL06-4797-2050