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インタビュー・コラム

【連載第2回】自己啓発支援で自律型人材を育成する

自律型人材の育成・確保と自己啓発支援(全5回)

自己啓発支援で自律型人材を育成する

自律型人材の育成が必要だとしても、どのようにすれば育成できるのでしょうか。上司が細かい指示やアドバイスを与えて指導すれば自律型人材に育つのでしょうか。また外部講師の講演を聞かせれば自律型人材に育つのでしょうか。そうではありません。これらは自律型人材育成の対局にあるものです。自律型人材は外から強制されてはじめて行動するのではなく、自発的・内発的に行動するからこそ自律型人材なのです。
一般に人材育成の手段は、OJT(職場内訓練、On The Job Training)Off-JT(職場外研修、Off The Job Training)自己啓発の3つに整理されます。現場の上司による指導はOJT、研修はOff-JTに当たります。そして自己啓発とは従業員が自発的に行う学びのことです。自己啓発は個人の私的領域で行われ、企業の管理外ということもあって、これまではあまり重要視されてきませんでした。しかし自律型人材の育成という観点からは、自己啓発を従業員に積極的に促し、企業として支援していくことが望まれます。
なぜなら、自己啓発だけが従業員の自発性・内発性に基づくものだからです。厚労省の定義でも、自己啓発とは「労働者が職業生活を継続するために行う、職業に関する能力を自発的に開発し、向上させるための活動」(能力開発基本調査)と位置づけられています。従業員自身がイニシアティブを持って自己啓発活動に取り組むことで、はじめて自発的・内発的に行動する自律的なマインドを身につけられるのです。

次回へ続きます。
第3回テーマは、「研修で自己啓発への気づきを与える」

プロフィール

本田和盛
特定社会保険労務士

本田和盛氏

あした葉経営労務研究所代表 HAコンサルティング株式会社 代表取締役
小樽商科大学卒業 法政大学大学院経営学研究科修了(MBA)
法政大学大学院政策創造研究科修了。コマツを経て独立。
著書に「管理職の基本と原則」「管理職の理論と実践」などがある。

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